◆緊急事態宣言下における新郎新婦のご質問に対する回答例◆
カテゴリー :キャンセル・日程変更
該当する施設:緊急事態宣言対象施設
Q.緊急事態宣言が出されたし、「不可抗力」だから解約料は絶対負担したくありません。なにかあれば消費者センターに相談します。
「お気持ちをお察しいたします。おっしゃるとおり不可抗力によって結婚式ができない場合は、お客様に解約料の支払い義務が生じないケースもあり得ます。ただ、現状についてですが、緊急事態宣言は発出されておりますが、結婚式を開催することや結婚式に参列すること自体を中止するような要請は出されておりません。また、実際に当会場だけでなく周辺の会場様においても結婚式が開催されている現状がございますので結婚式が開催できない状態にあるとは言えないと考えております。もしご解約の場合は解約料のご負担をお願いすることとなります。」
「消費者センターにご相談されるかどうかはお客様のご判断にお任せしております。」
【法的側面からの解説】
宣言の再発出を理由とした解約が発生した場合に「お客様都合による解約」と言えるかどうか、言い方を変えれば、宣言の再発出は新郎新婦にとって「解約料の支払いを拒む理由になるか」という法的な問題が生じます。
この点、お客様が解約料の支払いを拒む根拠が法的に認められる場面として考えられるのは、結婚式サービスの提供が「不可抗力による履行不能」と言える状態です。「不可抗力による履行不能」とは、言い換えれば「どちらの責任でもなくサービスの提供ができない状態である」という意味です。
それを前提に現状を分析してみると、
・ 宣言が発出されたとはいえ求められているのは「営業時間の短縮」であって結婚式の開催そのものの自粛は求められていない。
・ 住民への外出自粛要請も「不要不急」なものに限られ、冠婚葬祭への参列は「不要不急」ではないと一部の自治体(東京都や千葉県など)は判断している。
・ 国が緊急事態宣言下において取り組むべき重要事項を定めている「基本的対処方針」において、宣言下においても社会生活における重要性などを理由に事業の継続が求められる事業者の一つとして「冠婚葬祭業関係」が明示されており、この点からすると結婚式場の利用(結婚式への参列)が直ちに「不要不急」と判断されることはないものと考えられる。
・ 日程変更等は発生しているとはいえ、宣言の対象となった地域であっても結婚式が開催されている。
という事情から法的に「サービスの提供ができない状態にある」とは言い切れないと考えます。
したがって、もし新郎新婦から解約の申し出があった場合に、法的に事業者として解約料の請求ができない状況にはないというのがBRIGHTの考え方です。
なお、消費者センターは消費者からの相談を受ける機関ではありますが、何か法的な決定権を有していたり、強制的に何らかの行為を強いる立場にはありません。
「各自の判断」としている自治体も、この取扱いは共通なので理由付けの一つになると考えます。
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