「持込」問題にどう対処すべきか? 第2回 日経はどう報道したのか

では、平成30年1月30日付の日本経済新聞夕刊(東京版)は「持込」規制についてどのように報道したのでしょうか?

 まず記事の冒頭で

 結婚式の契約を巡るトラブルが相次いでいる。国民生活センターによると、2016年度の相談件数は全国で約1700件に上り、カメラ撮影などを外部の業者に頼んだ際に式場側が請求する「持込料」に関する内容が目立つ。

と、国民生活センターの発表する情報をもとに、「持込料」についてのトラブルが増加している現状を指摘しています。

 そして具体的な顧客側の声を2例紹介した上で、

 高額な持込料の設定や持込禁止には、婚礼業界の構造が背景にあるとみられる。業界関係者によると、多くの式場がカメラの撮影業者や衣装会社などと提携しており、提携業者は仕事を回してもらう代わりに仲介手数料を式場に支払う。業界関係者は「持込を自由にすると提携業者は仕事がなくなり、式場も手数料が得られない」と指摘する。

と、「業界関係者」なる者の発言を引き合いに、「持込」規制を設ける背景には式場側の経済的事情があると紹介しています。また記事は、これに続けて少子化と未婚者の増加による婚礼市場規模の縮小がこれに拍車をかけているという趣旨の解説を加えています。

 そしてトドメのように

 高額な持ち込み料について、消費者庁消費者制度課は「一般論だが、消費者に一方的な不利益になる取り決めを禁じる消費者契約法に触れる可能性がある」とする。

と、「高額な持込料」について法律に抵触する可能性を指摘した上で、第1回で紹介した消費者団体の活動や大学教授のコメントを紹介し、記事は終わっています。

 以上が日経記事の概要なのですが、私はこの記事には、以下の3点の問題があると考えます。

① 「持込」規制には(1)全面禁止(2)持込料の設定の2種類があるところ、この記事はそれを混在して解説しており、また途中から何らの説明もなしに突然「高額な持込料」という概念を持ち出し、その背景についての解説をしたり、「消費者契約法に触れる可能性がある」などと指摘しています。なにをもって「高額な」と言えるのか、また高額でなければこれらの指摘は対象とならないのか(本質は金額の問題なのか?)など読んでいて疑問が尽きず、記事の構成としてはやや雑な印象をもちました。

② 会場側が「持込」規制をする背景に「経済的事情」がある側面は否定できませんが、一方で、一生に一度の晴れの舞台を円滑に進めることを目的に、その会場での施行に「慣れた」提携事業者を起用して「クオリティを維持したい」という前向きなニーズが会場側にあるのは事実であって(詳しくは第3回で触れます。)、この記事が、持込規制の目的について、単純に経済的側面「だけ」に焦点を当てているのは一面的に過ぎます。

③ 記事の中で丁寧に紹介されているのは、消費者団体、国民生活センターまたは消費者法を専門とする大学教授等「消費者側」の見解ばかりで、ブライダル事業者側の事情については「業界関係者」なる者の出所不明のコメントのみが掲載されており、公正な記事の作りとは言い難い「結論ありき」の偏った姿勢を感じました。

 このように、ブライダル業界側に属する私にとっては不満の残る内容ではありますが、重要なのは、「こうした記事がすでに世の中に対して広く発信された」という事実であって、それに対して我々ブライダル事業者はどう考えるべきなのか、どう備えるべきなのか、という視点です。

 次回以降、より具体的にこの問題を掘り下げていきます。

第2回 おわり