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挙式・披露宴に関連してアニメキャラクターを用いる場合の法的リスクの整理


 「花嫁さんからウェディングケーキをアニメキャラクターの形にしたいとリクエストがありました。応じてよいのでしょうか?」

 「新郎から控室をアニメキャラクターのグッズで埋め尽くしたいとのご希望を受けました。どのように答えればよいですか?」

 最近、そんなお問い合わせを多く頂戴するため、挙式・披露宴にてアニメキャラクター(以下、「キャラクター」といいます。)を使用する場面における法的リスクについて整理します。

 挙式・披露宴において、正当なライセンスを得ることなくキャラクターを使用する場合には、以下の4つの権利または法律に留意が必要です。

①著作権 広く「表現」を保護する権利で、そのキャラクターと認識される絵等を作成すると権利侵害となります。

②不正競争防止法 「事業者間の公正な競争」を保護する法律で、勝手にキャラクターを用いてそのキャラクターの権利者等の商品又は営業と「混同」を生じさせる場合には違法となる危険性があります。

③商標権 「商標権者の信用」を保護する権利で、指定されたサービス・商品に関して登録されたロゴや言葉(類似含む)を勝手に使用すると、その「出所」を偽ることになり、権利侵害となります。

④意匠権 工業上利用できる形状・模様・色彩のデザインを保護する権利で、登録された意匠やそれに類似した意匠を使用すると権利侵害となります。

※③商標権と④意匠権はキャラクターが登録されている場合に問題となります。

 このように権利や法律が並ぶとなんだか難しそうですが、共通するのは

 「他者の影響力にただ乗りするのはNG!」

 という考え方です。

 キャラクターを企画し作った人たちは、それに対して並々ならぬ時間と労力と費用を費やしているはずで、それを赤の他人が勝手に用いて利益を得てはだめですよ、という考え方が根底で共通しています。

 したがって、たとえば権利者の許諾を得ずにウェディングケーキをキャラクター型にして販売する行為は、見方によっては「他者の影響力にただ乗りしている」と言えるため、原則として違法または権利侵害となります。

 なお、結婚式で問題になりがちな「7つの事例」について、BRIGHTでは独自に法的リスクを比較検証していますのでご参考になさってください。

 http://bright-law.co.jp/pdf/180306_web.pdf

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