【クレームによるキャンセル】 Q 婚礼を申込みし、試食会に参加した新郎新婦が翌日、お料理が思ったより美味しくなかった、サービスマンも丁寧さに欠けたとして、キャンセルをお申し出になっています。


Q 婚礼を申込みし、試食会に参加した新郎新婦が翌日、お料理が思ったより美味しくなかった、サービスマンも丁寧さに欠けたとして、キャンセルをお申し出になり、式場側の問題なんだからキャンセル料は払いたくないとおっしゃっています。どのようにご対応すべきでしょうか?



A 一度締結した契約を一方的に覆すことは「契約違反」であり、予め約款等でその場合の違約金(キャンセル料)が決められていれば、キャンセルした側がそれを負担するのが大原則です。一方で、契約上の義務を一方が果たさなかったという事情があった場合には、民法に基づき、もう一方には適法な解除権が発生します。もし新郎新婦にこの解除権が発生していれば、(よく約款等に記載されている)「お客様の都合による解約」ではないので、キャンセル料が発生しないことになります。 これを債務不履行解除という言い方をするのですが、小さなミスを理由に、常に契約全体を解除できるわけではありません。契約全体のバランスを踏まえて、そのような契約違反やミス(債務不履行)があっては契約の継続は困難であるという段階になってはじめて適法な解除権が発生します。

試食会で御満足をいただけなかったことは確かに残念ですし、事業者としては反省しなくてはならないでしょうが、試食会はあくまで挙式・披露宴本番に向けた準備段階のひとつにすぎないわけで、そこで不手際があったにせよ、直ちに契約全体を適法に解除できる権利が新郎新婦に発生すると考えるのは明らかにバランスを欠くでしょう。

したがって、よっぽど大きな失態があったような特別な事情がない限り、これはあくまで「お客様の都合による解除」であるため、申込金を返金する必要はありませんし、キャンセル料を請求しても構わない事例であると考えます。