
【この記事は、2020年3月10日現在の状況です。】
Q 特措法の改正後に仮に「緊急事態宣言」が出て、都道府県知事から結婚式の中止要請が出された場合はどうするのか?
とのお客様から回答にはどう応えるべきでしょうか? A 現時点(2020年3月8日)においては、まだ改正案の詳細が明らかでないため、 ・ まだ成立していないので確定的なことは言えません。 ・ 仮に法律を根拠にして正式な中止要請があれば、それに従わざるを得ないと思います。 程度の回答にならざるを得ないのではないかと考えます。 Q もしスタッフから感染者が出た場合には、その事実を開示する必要があるのでしょうか? A 現行法においては開示する法的義務はありません。 たとえば従業員がインフルエンザに感染したことをわざわざ開示する必要がないことと 同じようにお考えいただいて構いません。
つい先日も、大分市の接客業の女性が新型コロナウィルスに感染した際の記者会見で、 大分市が店舗の運営者の了承を取らないまま店舗名を公表したとして問題になっています。
ただ、感染ルートを調査するために保健所等への協力は必要になりますし、 現状では感染者の発生は非常に注目ニュースであることから報道される可能性は高いこと、 もしその事実を告げないまま施行した後の顧客からの猛烈なクレームが予想されること等から 現実的には「発表しなければならない場面」も出てくるであろうと思います。
その要否の判断においては、当該従業員がお客様と直接触れあう業務を行っていたのか どうか等も踏まえて検討すべきと思います。 Q 新型コロナへの不安から解約を申し出た顧客にキャンセル料を提示したら 「もし開催して感染者が出たらどう責任をとるんだ!」 または「もし強行して感染者が出たら全責任を会場で負うと約束しろ!」と強く言われてしまいました。どう回答すればよいでしょうか? A こうしたお問い合わせが増えてきました。さぞご苦労されているものとお察しします。 以前のQ&Aでも解説しましたが、基本的に施設側に責任のある「食中毒」とは異なり、 新型コロナウィルスの感染源の特定は容易ではない、ということの認識が大切です。
というのも、法律上は「感染が発覚したらすべて会場の責任」という短絡的なことにはならず 感染という「結果」が施設側の「原因」によるものという「因果関係」が認められて初めて 法的な責任が生じるのです。
したがって、仮に披露宴に参列した後に感染したという方が現れたとしても、その感染が 施設側の落ち度によるものという証明がなされない限りは、法的責任は負わないのです。 以上を踏まえれば、Qにあるようなご質問に対しては
「当然のことながら、新型コロナウィルスに限らずに会場側の責任で参列者に被害を 与えてしまえば法律上の責任を負うことになります。」 「法律の定めを超えて、会場側の責任かどうかを問わず一律に被害の全責任を負えというような ご依頼にはお応えすることはできません。」
という回答になろうかと思います。