top of page

BRIGHT NEWS vol.64 しつこく「日弁連Q&A」を深堀する

*************************************** 【目次】 TOPICS  「日弁連Q&A」についてBRIGHT弁護士と語り尽くす! BRIGHTからのお知らせ  8/26 新型コロナ第2波に備えたオンラインセミナーの開催決定! ************* ************************** TOPICS  「日弁連Q&A」についてBRIGHT弁護士と語り尽くす! 日本弁護士連合会の消費者問題対策委員会という組織(正確には日弁連に属する一委員会ですが 便宜的に以下、「日弁連」と言います。)が公表しているQ&Aは、「スポーツジムの契約」や 「旅行のキャンセル」など新型コロナウイルス感染拡大を巡り発生しかねない消費者問題を11個 抽出し、日弁連独自の見解をまとめた内容となっています。 その中で「結婚式のキャンセルについて」というのが2番目に掲載され(上位!)、日弁連の 見解が示されています。詳しくご覧になりたい方は以下の外部リンクをご参照ください。 ★新型コロナウイルス消費者問題Q&A★ https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/news/2020/topic2_4.pdf この内容に対してBRIGHTでは、前回のメルマガで ① ブライダル業界の実態を正確にとらえていない点 ② 法律の解釈として無理がある点 ③ 過去の裁判例を無視している点 の3点について批判的な分析を行いました。 今回はさらに踏み込んで、BRIGHT増渕勇一郎弁護士との対談を掲載いたします。 皆様の理解の促進につながれば幸いです。  夏・・・BRIGHT代表 夏目、 増・・・BRIGHT弁護士 増渕勇一郎 夏 日本弁護士連合会の名前でこのような問題のあるQ&Aが示されていることに衝撃を覚えるのですが? 増 これは日弁連本体のリリースではなく、消費者問題対策委員会という1つの委員会が発表したものです。   当然ながらすべての弁護士がこの内容に賛同しているわけではありませんし、   私自身も内容には一部問題が散見されるという印象をもっています。 夏 とはいえ「日弁連」の名前を冠してこのような発表がなされるインパクトはありますよね? 増 消費者保護の立場からのひとつの見解が示された、というものであって、   当然ながら事業者側の立場に立てば承服できない点はあるでしょう。   おかしいと思うところはおかしいと発信することは必要だと思います。 夏 まず、Q&Aでは「結婚式は社会通念上履行不能な状態だ」と根拠も十分じゃないまま断言しています。   これにはとても違和感があって、法的に「社会通念上履行不能」と言えるハードルってもっと高いという   印象なのですがいかがでしょうか?   「こういうところに注意して開催してね」という経済産業省も関与した業界ガイドラインが示され、   昨対比で数は減っているとは言え、全国各地で結婚式が開催されている現状があるのに、   「結婚式は社会通念上履行不能な状態だ」とは、それこそ社会通念上「言えない」と私は思うのですが。 増 その通りだと思います。   「社会通念上履行不能」と言えるかどうかは感染状況の地域差も大きい中で全国一律で判断できるものではなく、   個別具体的な事案ごとにその状況を総合的に勘案してジャッジされるものですし、   「やろうと思ってもできない」と言い切るにはハードルは本来もっと高いはずです。   今回のQ&Aがまるで全国一律に、また結婚式の規模など全部無視して断言してしまうような表現で書かれている   ことには違和感があります。 夏 また「解約時に予想できなくても、結果的に履行不能な状態になったら不可抗力事案として取り扱う」という   法的解釈も衝撃的です。   「その時予想できなくても結果がダメなら元々ダメ」なんて理屈がまかり通ったら   すべて「結果論」で片付けられてしまうのではないでしょうか。   「不可抗力と言える理由での解約なのか」などの判断は、あくまで「その判断をする時点での状況」を鑑みて   なされるべきものと考えますが、法的にはいかがでしょうか? 増 その点について明示した条文は見たりませんが、基本的にはその考え方に賛成です。   私たちは神様ではないので数か月後の状況は誰も予見できません。   あくまでその時、その時で、目の前にある状況を基に判断していくしかないわけで、   その時点において「履行不能と言えたのか」「不可抗力といえる状況にあったのか」を判断していくのが   原則だろうと思います。 夏 子供っぽい反論になりますが、日弁連のこの言い分通りなら、   もし「今後新型コロナが劇的に減少して全く不安なく結婚式が行える環境」が戻ったら、   私たち事業者は過去に解約料減額の特別対応した新郎新婦に「当時は予見できなかったですけど、   結果的に結婚式は問題なくできたので解約料全額払ってください」と言えるのか、と聞いてみたいですよ。   いずれにせよ、このQ&Aは現場スタッフの苦労など一顧だにせず、   まるで「すべてをお見通し」の神様の視点からきれいごとを述べている印象があって感じ悪いです。 増 少なくとも婚礼現場の実態を分かっている人が書いた文章でないという印象は私も同じです。 夏 また、今更ながらキャンセル料の水準について「実費相当分が目安」などと、   過去の争いの経緯をすべて無視したような形でこの問題が蒸し返されているのも危険だと思います。 増 このQ&Aの執筆者は、婚礼業界における過去の法律事案について詳しく知らないのだと思います。   もちろん最高裁まで争われたからと言って必ずその通りの見解を示さないといけないということはありませんが   多くの人の目に触れるQ&Aである以上は、そうした裁判があった事実と結果は注記しておくべきですよね。 夏 このQ&Aを背景にした新郎新婦からの問い合わせで困っているスタッフが全国にたくさんいます。 増 まず気を付けて欲しいのは、このQ&Aの内容は何か拘束力があるものではないということです。   「そうした見解があることは認識しておりますが、私たちは別の見解をもっています」と   堂々と説明する分には問題ありません。   ただ、一部にはこうしたやや極端な見解があるのだという事実は知った上で、   どうお客様を安心させていくかそのためには何をご説明すべきなのかの事前準備が必要だと思います。 夏 思わずぷんぷんしていましたが、先生のお話を聞いて少し冷静になれました。 増 腹を立てていても仕方がないので、前回のメルマガを参考にしてもらって冷静におかしな点を抽出して、   お客様に説明できるようにしておきたいですね。 *************************************** BRIGHTは日本で唯一の「ブライダル専門」の法律サービスとして、 全国の皆様へ法律的な「考え方」や「最新情報」などを無償で発信しております。 過去の記事の一部は「with BRIGHT WEB」にて無料で閲覧可能です。 https://bright-law.wixsite.com/with-bright-web なお、過去のセミナー動画など見放題の「with BRIGHT WEB」有料会員は こちらからお申し込み可能です。 https://goo.gl/forms/mHj7aHnrl8Bxonvp1 *************************************** BRIGHTからのお知らせ 8/26 新型コロナ第2波に備えたオンラインセミナーの開催決定! オンラインセミナー第4弾 「新型コロナ第2波とSNSネガティブ投稿への法的対応策」セミナー ………………………………………………………………………………………………………………… 今回お話に応じてくれた増渕弁護士も出演してもらい、 日弁連Q&Aの分析や、お客様から質問された際のベスト対応などを解説します。 ………………………………………………………………………………………………………………… ▼CONTENTS▼ ①こんな状況下、前回と同じレベルの『特別措置』を設ける必要はあるのか? ②緊急事態宣言が出ていない中でも「コロナ解約は不可抗力」という理屈は通るのか? ③「再延期後の解約」の場合のキャンセル料はどう設定すべきか? ④もし自社で新型コロナ感染者が発生した場合に懸念されるSNS等を通じた「ネガティブ投稿」にはどう対応すれば良いか? 開催はいよいよ来週!お申し込みはお早めに! ………………………………………………………………………………………………………………… ▼日程▼ 2020年8月26日(水)13時00分~15時00分  ※終了後には収録動画をお送りします。  この時間の受講が難しくても後から「いつでも」閲覧可能です。 ▼配信方法▼ Zoomウェビナー            ※お申込みいただいた皆様にURLをお送りします。 ▼講師▼ BRIGHT代表 夏目哲宏、BRIGHT弁護士 増渕勇一郎 ▼受講料▼ 1名あたり2,000円(税込)        ※複数受講の場合は人数分のお支払いをお願いします。 ※請求書が必要な場合は、「備考欄」にその旨ご明記ください。 ※クレジットカード決済の場合、カード会社のご利用明細書をもって領収書に代えさせていただきます。 ※お振込にてお支払いの場合、金融機関のお振込明細書をもって領収書に代えさせていただきます。 ▼ライブ配信のお申込みはこちら▼  ライブ配信 申込 これからの新郎新婦のために、私たちに何ができるのか? コロナ第2波の今、どう対応するべきなのか?この2時間をどうぞ、お見逃しなく。 ▼詳細はこちらをクリック▼ *************************************** 「BRIGHT NEWS vol.64」はいかがでしたでしょうか? 異様な暑さとも戦いながら現場で頑張る皆様にお役に立てて入れば嬉しいです。 BRIGHTでは引き続き、ブライダル業界の皆様に少しでもお役に立てる情報を配信していきます。 今後ともご愛読のほどよろしくお願いいたします!

bottom of page