Q.列席者がご自身で会場に「ヘアーセット」の予約をした場合、まれに当日キャンセルとなる場合があります。
新郎新婦が費用を負担するケースでは「当日キャンセル」でも請求ができるのですが、
列席者ご自身が負担する場合は、ご欠席で会場に来ない場合もあり、請求ができていません。
たとえば、そのキャンセル分を新郎新婦に負担してもらったり、その他、なにか良い方法はありますか?
A.まず、第1のポイントとしては、
「誰を参列者美容についての契約主体とするか?」だと考えます。
これには、
①新郎新婦が参列者美容についても契約主体となる
②参列者美容は参列者自身が契約主体となる。
③新郎新婦の意向によって①か②か区別する。
の3種類の考え方があり得ます。
①の考え方の場合には、予め新郎新婦に同意を得て、解約があっても解約料を
新郎新婦から回収できるメリットがあります。
ただ参列者自身が契約主体ではないので、提供サービスの内容について事前説明等が困難で
トラブルが増加するリスクもありそうです。
②の考え方の場合には、下記の通り、参列者個々と事前にお会いする機会が難しく、
また解約があっても解約料の請求が(新郎新婦の場合より)困難と言うデメリットがあるでしょう。
ただ、一般の美容院は②の考え方を採用しているわけで、美容というサービスの特徴を考えれば
最も一般的な契約の在り方とも言えそうですね。
③の考え方の場合には、新郎新婦に選択権が設けられる一方で、貴社側の手配は複雑化してしまいます。
それぞれのメリット・デメリットを比較して検討が必要だと考えます。
続いて、第2のポイントとしては 「参列者の美容キャンセルが発生した時に新郎新婦に参列者向けの解約料を負担してもらえるか?」 という点です。
この点、①の考え方に基づけば、元々新郎新婦との契約になりますのであまり問題は生じません。
そして②の考え方に基づく場合は、下記のご質問の通り、新郎新婦に「連帯保証」の合意さえあれば、
参列者向けの解約料に未払いが発生しても新郎新婦に請求していくことは法的には可能です。
一方で、参列者がどの程度の人数、またどのようなサービス(着付けが含むのかどうか等)が
分からない段階で新郎新婦が常に「連帯保証」に同意してくれるのか、という現実的な
課題もあるので、実際には困難も生じるようには思います。
以上を見てきますと
①の考え方で統一して、参列者分解約料の回収リスクは担保しておきつつ、
参列者美容を希望する参列者に、提供サービスの内容を説明する方法を充実させる、
または、②の考え方で統一して、参列者美容の参列者からのお申し込み時点で、
キャンセル料の取り扱いにしっかり同意いただき、請求しやすい運用にする
でいかがでしょうか?
貴社のご状況に合わせてご検討ください。
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