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BRIGHT NEWS vol.165 ついに勧告処分が発表に!フリーランス保護法対策は待ったなし!

更新日:7月29日

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『フリーランス保護法』違反で公取からの勧告処分が続々と!



「フリーランス保護法」がブライダル業界に与える影響については、同法が成立したときからずっと注意喚起を続けてきましたが、いよいよ具体的な違反事例に対する勧告処分が発表され始めました。


改めてここまでの流れを整理すると、主にフリーランスとして働く事業者の正当な権益を守ることを目的に昨年11月1日に施行された「フリーランス保護法」に基づき、監督官庁である公正取引委員会は施行直後から違反事例の調査に乗り出しており、本年3月にはゲームソフトウェア業、アニメーション制作業、リラクゼーション業及びフィットネスクラブ業の4業界45事業者を対象に、同法違反の疑いがあるとして「指導」していました。


この「指導」より厳しい処分が「勧告」となるのですが、その第1号として発表されたのが、あの大手出版社でした。


速報(1) 出版大手「小学館」と「光文社」に勧告処分

6月17日に公正取引委員会は、出版大手の小学館と光文社を相手に「フリーランス保護法」違反を理由に勧告を行ったことを発表。

発表によれば両社は、フリーのライターやカメラマンに対して業務を発注するに際して

1: 報酬額等の契約条件を書面等で明示しなかった

2: 報酬を役務提供日から60日以内に支払わなかった

ことから、これらの行為が「フリーランス保護法」の禁止行為に抵触すると判断された。


まず、昨年11月の施行から半年のタイミングで誰もが知る大手出版社を対象に、またそこまで特別に深刻な事例ではなく(当然ながら良いことではありませんが)「世の中ではよく見聞きするよね」とも思える程度の事案に対して勧告処分が課されたというニュースに接した際、正直なところ「それで勧告処分までするの!?」と驚いたというのが偽らざる私夏目の本音でした。


しかし、勧告処分のニュースは、わずか8日後に立て続きます。


速報(2) 大手総合楽器店「島村楽器」に勧告処分

6月25日に公正取引委員会は、大手総合楽器店「島村楽器」を相手に「フリーランス保護法」違反を理由に勧告を行ったことを発表。

発表によれば同社は、取引のあるフリーのミュージシャンに対して「無償で」音楽教室の無料体験レッスンの講師をさせ、これが「不当な経済上の利益の提供要請の禁止」に抵触すると判断された他、

1: 報酬額等の契約条件を書面等で明示しなかった

2: 報酬を役務提供日から60日以内に支払わなかった

という違法行為が指摘された。


こちらのニュースに出てくる「不当な経済上の利益の提供要請の禁止」とは、「発注主がフリーランスに対して本来義務がないにも関わらずサービス等の提供を強いることを禁じたもの」で、下請法でも同様に禁じられている行為です。


そして残念なことに、ブライダル業界でも「怪しい場面」は非常に多く見聞きします。

例として類似しかねない事例を紹介すると、

1: 会場がパートナーに対して協賛金の負担を求める行為

2: 会場主催のブライダルフェア等においてパートナー事業者に対して無償での商品・サービス提供を求める行為

等が挙げられます。


なお誤解のないように念のため整理しておきますが、会場がパートナーに協賛金を求めたりブライダルフェア等への協力を要請したりすること自体が直ちに違法となるわけではありません。違法となるのはあくまで提供の要請に「不当性」が見出される場合に限られます。


ではどのような場合に「不当性」が見出されるのでしょうか?

この点について公正取引委員会は以下のような基準を示しています

『親事業者の決算対策等を理由とした協賛金の要請等下請事業者の直接の利益とならない場合や、下請事業者が「経済上の利益」を提供することと下請事業者の利益との関係を親事業者が明確にしないで提供させる場合(中略)には、「下請事業者の利益を不当に害する」ものとして問題となります。』


つまり、上記ブライダルフェアの例に基づけば、会場がパートナーに対して「パートナーの利益につながるのか不明確な」協賛金の負担を求めたり、会場側が「毎年恒例だから」「パートナーさんから不満の声はないから」とパートナーにどんなメリットをもたらすのかを示すことなく商品・サービスの提供を要請することは、フリーランス保護法に抵触するリスクがあるわけです。


今回のニュースの受け止め方は、読者のみなさんの業種やお立場によって全く異なると思います。それぞれの感想はすべて尊重しますので是非お聞かせください。

ただ、ひとつ重要なことは、もうこういうことが法律のルールとして定められ、大手企業であっても違反事例があれば処分を受けるということです。

こうした状況を前に、私たちは現実を受け入れて、足元に問題があるのなら改善していく以外の選択肢はありません。

逆に、もしブライダル業界における「フリーランス保護法」等に対する対応が遅れれば遅れるほど、各分野でこれから素敵な商品やサービスを提供してくれる可能性のある有能なフリーランスまたは企業が「ブライダル業界では働きたくない」と離れていってしまうことは確実です。


会場側とパートナー側双方で、業界内の事業者間取引の是正が急務であると考えます。

BRIGHTは今後もこのメルマガやセミナー等において、全国のブライダル事業者間取引の適正化に資する情報を発信していきますので、是非ともご注目ください。


 
 
 

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