A まず、卓上装花が著作物に該当するかどうかは微妙です。著作権法2条1項1号において著作物は「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」と定義づけられていて、要約すると、
① 生け花のような芸術品 ⇒ 著作物
② 機械的に作られる商品 ⇒ 著作物ではない
ということになります。一般的に商売用に常時制作されている装花であれば②に該当することが考えられます。
次に、仮に著作物だったとしても、卓上装花が写った写真を利用する時に常に許諾が必要な訳ではありません。許諾が不要な場合として挙げられるのが著作権法第30条の2に規定された「写り込み」に該当する場合です。
これは「卓上装花を」撮影しているのではなく「バンケット内の様子を」撮影した際に、風景の一部として卓上装花が写り込んでしまったような場合には、仮にブーケが著作物だったとしても、わざわざ権利者に許諾を得る必要はない、というルールです。
個別具体的に判断されるものではありますが、少なくとも卓上装花が広告写真に写っていたからといって、常に制作者の許諾を得なければならないという訳ではありません。
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