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Q.【前日に新郎がコロナ感染】結婚式前日に新郎様よりコロナに感染したとご連絡を頂きました。当社は、開催と延期、どちらに比重をおいてお話を進めるべきでしょうか。延期をお勧めしても問題ないですか?

A.法律論でいうと、そもそも貴社は契約している以上、

「約束通りの日時・内容で結婚式サービスを提供する義務」を負っており、

一方的に中止したり延期したりすることは原則として契約違反となります。


例外的に契約違反とならないのは「中止や延期をする正当な理由があるとき」です。

顧客が感染症法等の法令で何らかの行動制限が加えられる疾病(たとえばエボラ出血熱)に罹患している場合に、

法令遵守を理由に施設の利用をお断りする、というのは「正当な理由」に該当すると思いますが

今やコロナは感染症法上の分類もインフルエンザと同じ5類ですから

法的な意味では「挙式・披露宴に参加してはならないという制約はない」と言えます。


ということは、まず前提として貴社から中止や延期を強行することは

契約上はできない(強引にしたら契約違反の責任を問われかねない)ものと考えます。


一方で、貴社が参列者への感染リスク等を踏まえて「延期を促す」こと自体は

問題ないと考えます。顧客が納得して別の合意をすれば「契約変更の合意が成立した」わけで、

それ自体は全く問題ありません。


一方で貴社は施設所有者(または管理者)としての立場から、

館内利用について必要な範囲でルールを設け、それに従うよう求めることができます

感染拡大を予防するという合理的な利用の範囲内で、たとえば


・ 使用できるお手洗いは特定させてもらいます。

・ 常時ご利用になった椅子等はすぐに消毒いたします。

・ ヘアメイク等近づくスタッフはマスクを着用します。

など一定の行動制限を課すことは認められると考えますし、


・ 参列者に感染拡大等しても会場は責任を負わない。

という内容の一筆を予めもらっておくなどの対策も考えられます。

(とはいえ参列者から「なぜ強行したのだ」という批判が会場に向く

 リスクは完璧には避けられないですが・・・。)

まとめると、結婚式自体を強引にやめさせるのは難しいと考えます。

(延期をお勧めすること自体は問題ない。)

一方で、施設管理者として合理的な範囲内で行動に制約を課すことは

一定程度認められるものと考えます。

また、リスクヘッジとしては「会場は責任を負わない」という趣旨の

合意をしておく、などが考えられます。





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