Q.会場を改装し成約済みのお客様にご覧頂いたところ「気に入らない、これだったらキャンセルしたい」とお申し出になっています。改装については、事前におふたりにお伝えしておらず、また規約には「改装について」の明記はありません。法的にはどのような扱いになりますか。
A.改装の「程度」によると考えます。
通常、新郎新婦は会場の雰囲気や外観・内装、そして立地や周辺環境について
比較検討をして結婚式場を選択し、「ここで結婚式をやるんだ」という認識の下で契約をします。
法的には「ここで結婚式をやる」という前提が崩れるほどの変更なのか否か?がポイントになると考えます。
たとえば極端な例ですが、
「この会場を立て替えることになったので、隣町の系列施設に移動してくれ」なんて話になれば
「ここで結婚式をやる」という前提が根底から崩れますので、それは会場側が契約上の義務を
果たしていないとして、新郎新婦には解除権が発生し、会場側は法的な責任を負う(当然解約料は
請求できず、逆に新郎新婦に発生した損害や精神的な損害を賠償する)話になります。
一方で、たとえば「試食のときとお皿が変わった」「カーテンの色が模様替えした」というような
程度の話であれば、「ここで結婚式をやる」という前提は変わりませんし、一般的に施設の内装や
備品がずっと変わらないということはあり得ないわけであり、それを理由とした新郎新婦からの
解約が正当なもの(解約料の支払い義務を負わないもの)と認められることは考えにくいです。
今回の改装がそのいずれに近いかが法的にはポイントになると考えます。
もし後者であれば
「充分なご説明が漏れていたのは申し訳ありませんが、契約上のサービスの 提供には全く変更も支障もありませんので、それを理由とした解約の正当性は認められないものと考えます。」
「もしどうしても解約されるということであれば解約料を規約に沿ってご請求いたします。」
という対応になろうかと思います。
なお、もし契約前のやりとりにおいて新郎新婦と「この雰囲気がこの会場を選んだ理由だ」
というような特別な合意があれば、結論は前者に近づいてきますので、担当プランナーとの
間でどのようなやりとりがあったのかもポイントになってきます。

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