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Q.物価上昇等により、成約済みのお客様に対して、サービスや商品代金の値上げを検討しています。例えば、写真アルバム代や料理代などを値上げしても問題ないでしょうか。

Q.物価上昇等により、成約済みのお客様に対して、サービスや商品代金の値上げを検討しています。成約済みのお客様に対して、例えば、写真アルバム代や料理代などを値上げする場合、注意すべきことはありますか?利用規約や、見積書などには「価格変更の可能性がある」ことについては記載しておりません。



A.一般的にBIAモデル約款や他社の規約においても、

「将来的に単価が上がるかもしれない」という規定はありません

(規定にその規定があったとしたらお客様は金額面でご不安ですよね)。

一方で、「契約時の見積もり単価は変動しない」とも書かれてはいませんが、だからといって

一方的に変動させてしまうには、消費者契約法第4条第2項に関する懸念があります。


消費者契約法第4条第2項

消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべきものに限る。)を故意又は重大な過失によって告げなかったことにより、当該事実が存在しないとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。ただし、当該事業者が当該消費者に対し当該事実を告げようとしたにもかかわらず、当該消費者がこれを拒んだときは、この限りでない。

「結婚式のコストがいくらなのか?」は新郎新婦にとって重要事項である点は間違いなく、

お客様の追加発注によって見積金額が上昇したのであればともかく、

(物価上昇とはいえ)事業者側の事情で単価が上がったことで(つまり新郎新婦にはあずかり知らぬところで)

見積金額が上昇するというのはかなり不利益な変更とも言えますので、

「消費者契約法第4条第2項に抵触するのではないか」と指摘を受けるリスクはあるように思います。

とはいえ、貴社に「故意または重大な過失」があるかと言えば、契約のタイミングによっては

ここまでの物価高騰は予測できなかったわけで、「故意または重大な過失によって告げなかった」

とは言えないという反論も考えられるため、100%抵触するとは言えないとは思います。


以上を、まとめさせていただきますと、

ご成約済みのお客様の場合には、

事情をご説明して、平身低頭単価のアップをお願いをして了承を得れば問題ありませんが、

一方的に「単価が上がりましたので見積総額も上がります」と告知するには

法的な疑義が残ることが懸念されます。




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