A.法律に照らした原則的な考え方としては、
・ 署名した人との間では契約成立する。
・ ただし署名していない人には契約の効果は及ばない。
です。
例えば、「2名の署名があって契約が成立する」ことを前提にしていたとしても
規約に「2名双方の署名と申込金のお支払いで契約が成立する」のように記載されていなければ
「片方の署名であれば契約は成立しない」という理屈にはなり得ないでしょう。
仮に新郎が出張中で、新婦だけ署名して申込金を支払った後に破談で解約となった場合
署名していない新郎が「私は署名していないから契約の効力は及ばない。だから解約料も
支払わない」と主張するのは理に適っていますが、署名した新婦が「ふたりの署名がないから
契約は成立していない。だから解約料は支払わない」という主張は認められない可能性が高いです。
そのあたりをしっかりさせるために、末尾に
「なお、片方だけのご署名の場合にも署名された方との間で本契約は成立します。」
というような注意書きを入れることも考えられ、実際にそうしている会場さんもありますが、
逆に言えば「片方の署名でも一旦OKなの?」という解釈にもなってしまうので
それがベストかどうかは微妙です。
以上のように署名した側が「契約不成立」を主張するのは難しいと考えますが、
婚礼現場の一部のプランナーが「2名からきちんと署名をもらう」という点を
片方の署名をもらわないまま放置しているというようなことがあれば、
少なくとも、それがいかにそれが論外な対応なのかということは認識を徹底しておくべきだと思います。

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