【この記事は2022年6月13日現在のものです】
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【目次】 TOPICS
(1)スシローの「景品表示法」違反と業界の注意点とは?*************************************************************
TOPICS (1)スシローの「景品表示法」違反と業界の注意点とは? 消費者庁は9日、全国で回転ずし店を展開するスシローが、テレビCM等の広告で「濃厚うに包み」等の商品をキャンペーン期間中に提供するかのような告知を行っていながら、実際にはキャンペーン期間中の一定期間に販売を停止していたにも関わらず広告を継続していたことが、「景品表示法」で禁じられる『おとり広告』に該当するとして、スシローに対して、再発防止策等を求める措置命令を出しました。 「景品表示法」はブライダル業界にとっても注意が必要な法律ながら、あまり注目されておらず、またやや難しい内容なので、前回のメルマガに引き続ぎ、BRIGHT内でスタッフが私夏目に質問する場面を想定したQ&A形式でまとめてみました。 ※分かりやすさを重視して法律上の表現を一部変更している点を予めご了承ください。
1.「景品表示法」とはどのような法律なのか?
Q このニュースで取り上げられた「景品表示法」ってどんな法律なのですか?
A 「景品表示法」とは、正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」といって、不当な景品類(おまけ)やインチキな広告を用いて集客をしたり、契約をさせたりすることを予防して、一般のお客さんが冷静に消費行動ができるようにしようという法律です。
今回スシローが問題になったのは、後者の「インチキな広告」についての規制です。
景品表示法では「インチキな広告」について、
(1)実態よりも著しく良いものと誤解させる広告(優良誤認)
(2)実態よりも著しくお得だと誤解させる広告(有利誤認)
(3)『おとり広告』などでお客さんを誤解させる広告(その他誤認表示)
の3種類を規定していて、今回のスシローの広告は、実際にはお店に行っても販売していない商品を、さも販売中であるかのように告知していたとして、上記(3)に該当すると指摘されたものです。
Q 「景品表示法」違反を理由にスシローにはどのような命令がされたのですか?
A 消費者庁はスシローに対し「一般消費者に対する事実の周知徹底」「再発防止策の策定」「再発防止策の従業員への周知徹底」「消費者庁長官への報告」等を命じています。
制度上罰金などは課されないのですが、このように大々的に報道されることでのマイナスイメージも大きく、スシローのダメージは小さくないように思います。
2.ブライダル業界で注意すべき点について
Q ブライダル事業者が「景品表示法」違反を指摘された例はあるのですか?
A 私が知る限り、正式に措置命令まで出された事例については把握していませんが、正直なところ、かなりリスキーな事例はよく見られます。
Q 具体的にはどのような事例でしょうか?
A たとえば、一時話題となった「料理の原産地の誤表示」は同法が禁じる優良誤認となる危険性が高いです。また、根拠を示さずに『地域NO.1』などと広告でうたうのも、これに該当する危険性があります。
他にも、たとえば「今月中の契約なら●●を特別サービス」などと告知しておきながら、翌月も同じサービスを継続する、というような事実があると、同法が禁じる有利誤認に該当する危険性もはらんでいます。
Q 確かにありえる事例ですね。たとえばスタッフがSNSで書いたものも対象となりますか?
A それも対象となってしまう点がおそろしいところです。パンフレットやチラシに限らず、ホームページやSNS上で一般のお客さん向けに表示した内容も対象となりますし、「悪意なくついうっかり」というのも言い訳にならない点に注意が必要です(「悪意があったかどうか」は実際に違法な表記が発覚した際に消費者庁等が処分を決定する際の判断材料にはなりますが、「悪意なくうっかり間違えた」ことは免責事項にはなりません)。
Q ブライダル事業者が気を付けることはありますか?
A ブライダル関連のサービスの場合、工夫を重ねながら毎月「手を変え品を変え」告知をしているケースも多いと思いますので、特に「●月限定キャンペーン」が「それって先月の内容と一緒じゃない?」というような『うっかりミス』には是非気を付けていただきたいところです。
また、以前と異なり本社の広告担当者のみならず、各施設・店舗のスタッフが独自にSNSで告知を担当している例も多いので、景品表示法についての最低限の知識を持っておくことは必要だろうと思います(もしこのメルマガがお役に立てるならどんどん共有してください!)。
いかがでしたでしょうか?
「他人のふり見て我がふり直せ」とはよく言ったもので、こうしたニュースをきっかけに自社や各施設での広告運用を改めて見直して、思いもよらない法律違反のリスクを潰しておきたいところですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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