【この記事は2021年5月18日現在のものです】
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【目次】 TOPICS
宣言が出たら「結婚式」はこうなる!国の見解を知ろう。
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3回目となる緊急事態宣言は、東京都、大阪府、京都府、兵庫県、愛知県、福岡県に加え、北海道、岡山県、広島県も追加されるなど拡大しています。あわせてまん延防止等重点措置の対象自治体も拡大中です。
その都度私たちが気になるのは「結婚式にはどんな影響が出るの?」という点です。 特措法では最終的に緊急事態措置は各都道府県の知事に決定権がありますが、実は知事が全く自由に対応を決定できるわけではなく、国が定める『基本的対処方針』に基づいて判断されます。
したがって、今後「私たちの街にも宣言が、まん防が出たら『結婚式』はどうなるの?」という疑問の答えは、この『基本的対処方針』を軸とした国の考え方にヒントが隠されています。 以下、「緊急事態宣言」の対象となった場合、「まん延防止等重点措置」の対象となった場合、そして知事が独自に宣言を出した場合の3パターンに分けて解説していきます。
1.「緊急事態宣言」の対象となった場合
国が各都道府県知事に対して5月14日付で出している「基本的対処方針に基づく催物の開催制限、 施設の使用制限等に係る留意事項等について」においては、宣言対象自治体の「結婚式」の取扱いについて以下のように明記しています。
【該当箇所抜粋(一部加工)※5ページ末尾】 (1)特定都道府県は、基本的対処方針に基づき、酒類又はカラオケ設備を提供する食品衛生法上における飲食店営業許可 を受けている結婚式場に対し、「酒類を提供する飲食店」と同様の要請を行うこと。 (2)特定都道府県は、結婚式場が大人数の飲食を伴 う場であることから、できるだけ短時間(例えば1.5時間以内) で、なるべく少人数(50人又は収容定員の50%のいずれか小さいほう)で開催するように働きかけること。 (3)結婚式をホテル又は旅館(集会の用に供する部分に限る) で行う場合も同様の条件を求めるものとする。
【解説】 (1)「酒類を提供する飲食店」と同様の要請とは、すなわち「お酒を出すなら休業要請」、「お酒を出さなくても20時までの時短営業の要請」というものです。これと同じ要請を結婚式場に対して出すよう求めています。 (2)また法令に基づく正式な要請ではないものの、「短時間」「少人数」での開催を働きかけるようにも求めています。なお、「少人数」の基準について、国は「50名または定員の50%のいずれか小さいほう」とされています。 (3)この部分については同日付の補足文書についておいて「結婚式の用途で使用する飲食店・結婚式場・ホテルの集会場等には同じ要請・働きかけ等を行うこと。」とわざわざ言及されており、レストランウェディングであってもホテルウェディングであっても、同じ要請をせよ、とされています。 ikoukikan_hosoku_20210514.pdf (corona.go.jp) (3ページ上部に記載あり)
以上の通り、宣言が出た地域の結婚式については「(1)酒類提供NG、(2)20時までの時短営業」は、国の示す方針として明記されています。 また伝え聞く限りではありますが、結婚式場に休業要請が出なかったのは「酒類提供NG」が条件であったからとも聞いており、今後も対象自治体が独自に「酒類提供OK」とする可能性は低そうです。
2.「まん延防止等重点措置」の対象となった場合
5月14日付「基本的対処方針に基づく催物の開催制限、 施設の使用制限等に係る留意事項等について」においては、まん防の対象となった地域における「結婚式」の取扱いについて直接触れた部分はありません。
また、「飲食店等」に対する要請のあり方としては「宅配・テイクアウトを除き、原則として、20時までの営業時間の短縮(酒類の提供は11時から19時まで)を要請すること。また、地域の感染状況等に応じて、都道府県知事の判断により、飲食店に対して、緊急事態措置の実施期間において、酒類の提供(利用者による酒類の店内持込みを含む。)を行わないよう要請すること。」とされており、「酒類の提供」については自治体ごとの裁量が認められています。
こうした方針に沿って、まん防の対象となった自治体では「結婚式場における酒類提供」の可否について見解が分かれているようですので、これは各自治体に直接問い合わせて確認を得るしかない状況です。
3.知事が独自に宣言を出した場合
特措法に基づかない知事独自の「宣言」への対処に苦慮しておられる事業者も少なくありません。当然ながら各知事はコロナ感染拡大を防ぐことを目的に「宣言」と称して発信しているため、守らなくてもよいとは言いません。 ただ一方で、法令に基づくものではないこと、そもそも私たち事業者には日本国憲法に基づく経済的自由が認められているはずで、「法令に基づかない知事の独断で」それを制約されるのはおかしいのではないか、という議論も充分成り立ち得ます。
したがって、少なくとも上記1.2.とは性質や強制力が大きく異なるものであるという認識をもった上で、「可能な範囲で」これに協力するというスタンスでよいのではないかと考えます。
以上、次々と対象地域が「拡大」する中で、BRIGHTとしてはすべての対象自治体の正確な情報をお届けすることが極めて難しくなっています。そこで今回のメルマガでは「国はどういう基本方針を示しているのか」という観点で整理しましたので、ご参考になさっていただけますと幸いです。
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