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Q.披露宴の演出「新郎新婦によるフルーツとお酒をミックスしてのオリジナルドリンク作り」を、会場側で材料を用意して販売する場合、披露宴中にふるまうだけでなく、そのお酒を新郎新婦が持ち帰ることは・・・?


Q.披露宴の演出「新郎新婦によるフルーツとお酒をミックスしてのオリジナルドリンク作り」を、会場側で材料を用意して販売する場合、披露宴中にふるまうだけでなく、そのお酒を新郎新婦が持ち帰ることは、法的に許されるのでしょうか?

A.お酒を造ったり、販売する場合は

酒税法に基づき「酒類製造免許」や「酒類販売業免許」が必要です。「酒類販売業免許」は小売業免許と卸売業免許に分かれます。

◆「酒類製造免許」

酒類を製造しようとする場合には、製造しようとする酒類の品目別に、

製造場ごとに、その製造場の所在地の所轄税務署長から製造免許を受ける必要があります。

◆「酒類小売業免許」

一般消費者や飲食店営業者等に対し、お酒を継続的に販売することができる免許です。

では、今回のケースを見ていきましょう。

披露宴演出で、「新郎新婦によるフルーツとお酒をミックスしてのオリジナルドリンク作り」を、会場側で材料を用意して販売する場合、

披露宴中にふるまうだけでなく、そのお酒を新郎新婦が持ち帰ることは、法的に許されるのか?

については、

「酒類製造免許」の方は「不要」と言えそうですが、「酒類小売業免許」も不要と言えるかについては「グレー」と言えます。

以下に解説します。

今回のケースについて酒類に関する免許との関係で検討すべき事項は、以下の2点に分かれます。

「酒類製造免許の要否」と「酒類小売業免許の要否」

1.酒類製造免許の要否

結論:不要と考えられる。理由は⑴が有力

理由⑴:酒税法第43条第10項にて「みなし製造」から除外

   「消費の直前において酒類と他の物品(酒類を含む。)との混和をする場合は、適用しない。」

理由⑵:特例適用混和(https://www.nta.go.jp/taxes/sake/kaisei/pdf/02.pdf)※この場合は酒税法上の税務申告が必要

☆注意点:理由⑴⑵ともに、本来的な対象は事業者(会場)であるため、新郎新婦の行為である点については

     一定の「解釈」が必要(会場の提供サービスを、新郎新婦が会場に「代って」行う、など)

2.酒類小売業免許の要否

※下記の回答は東京都内の酒類指導官税務署への照会結果

※一般的・抽象的な事例としての問い合わせのため、管轄税務署への事前の個別相談が適切

①例えば、「余ってしまった分」を「参列者が」独自の判断でカップに入れて持ち帰る場合

→⑴「カップ」である点、栓がなくても施設の外で容易に消費できるような状態であれば、

  栓をしたものの提供と同視される場合があり得る。

→⑵「参列者」である点は、⑶の契約内容とも関連するが、前提として新郎新婦への提供

  (その後、参列者へ新郎新婦による「処分」)があったと評価される可能性があり得る。

→⑶「持ち帰る」行為について、たとえこの点について表面上対価が発生していなくても、新郎新婦と

  会場との間の契約内容(このサービスの有無による料金の差など)や事実関係(カップや容器の

  提供者は誰かなど)の全体から、会場から新郎新婦への「販売(小売)」行為と評価される可能性があり得る。

→⑴⑵⑶が全て肯定される場合は、酒類小売業免許が必要と考えざるを得ない

②例えば、「余ってしまった分」を「代金を支払った新郎新婦」が瓶(演出でつくって蓋をした状態)のまま持ち帰る場合

→上記①⑴⑶から「販売(小売)」行為と評価される可能性はあり得る。

※ご注意:会場の所在地を管轄する税務署に事前にご相談いただくようにお願いいたします。




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