A.結婚式に台風による影響が出た場合の取扱いについて下記にまとめますのでご参考にしていただけますと幸いです。同じ「台風」でも程度と状況が異なってまいります。
①台風によって建物が倒壊するなどして物理的に結婚式ができない場合
規約に特別な規定がない限り「危険負担」が規定される民法第536条が適用され、契約は無条件で終了し、顧客は金銭の支払いをする義務がなくなり、申込金など支払い済みの金銭の返金を求めることもできます。一方で事業者側に結婚式ができないことへの過失がなければ、顧客は契約終了に伴い発生した損害(たとえば購入済みの引出物等の金銭負担)の賠償を事業者に対して求めることもできません。
なお、規約に異なる規定があれば、その規約が適用されます。
②台風が結婚式の会場に接近して警報が出ているが、物理的に結婚式はできる場合
法律上は特に規定がありません。
物理的に結婚式が可能な限り、各社様の規約に沿って結婚式は普通に行われます。
ただ、「非常時の特則」等をご用意されていて、その要件を満たせば、
「非常時の特則」に沿った対応となります。
③台風が飛行機や船の欠航が生じ参列者の一部が来られないが、物理的に結婚式はできる場合
法律上も一般的な規約上も特に規定がありません。
また、一般的な「非常時の特則」にもこのような場合を特別対応する規定はほとんど見たことがありません。
したがって事業者としては結婚式を開催することになんの障害もない以上、もし「飛行機が飛ばない」などの事情で中止や延期にされても、各社様の規約に基づき解約料や変更料を請求して構いません。
この点、一見するとお客様に気の毒だとは思いますが、「契約上事業者はどこまで責任を負っているのか?」を冷静に考えるべきです。新郎新婦や参列者が直前にどこにいて、どのようなルートで会場まで来るのかについて事業者はコントロールできませんし、何か約束ができる立場にもありませんので、あくまで「約束の日時に、約束の人数のゲストをお出迎えするための環境を用意しておくこと」こそが婚礼事業者に課された義務の根幹のはずです。
そうだとすると、いくら台風が来ていてもその準備が出来ている以上事業者側には全く落ち度はありませんし、逆に、台風が来ることは分かっているので「早めに移動する」など回避する方法はいくらでもあるのにそれをせず、遅れてしまった、というのは、新郎新婦や参列者側がそのリスクを負担していただく案件だと考えます。
お客様がご心配されているのがどのようなケースなのかを踏まえて、上記をご参考にご回答ください。
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