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「コロナ延期後に音信不通」の新郎新婦等との契約はどうやって終了させるのか?(「動画解説」のご案内があります。詳しく知りたい方は是非ご活用ください。)

去る5月8日より新型コロナウイルスの感染症法上の分類が「5類」に引き下げられ、世の中では「脱コロナ」の動きが広がってきていますが、ブライダル業界において未だに重く横たわっている課題が、 コロナ禍を理由に「婚礼を延期」したが、 その後「延期日程が決まらないままになっている」新郎新婦 への対応です。 また、こうした新郎新婦の一部に対しては 「まったく連絡がとれない」 または 「なかなか変更日を指定してもらえない」 という課題を抱えており、婚礼現場は大変困っておられます。 (BRIGHTにもたくさんのご相談をいただいております。) こうした新郎新婦に対して、私たち事業者はどのような決着の付け方が可能なのでしょうか? もっとストレートにいえば 事業者側から契約を「終了」させられるのでしょうか? この点、法律の観点から考察してみましたのでご参考にしていただけますと幸いです。 * 新郎新婦との契約の内容や延期時の取り決めの内容は事業者ごとにバラバラなので、   ここでは「延期後の対応について細かく決めていなかった場合」を前提に解説します。   (個別の事情がある場合は遠慮なくご相談ください。) 契約終了の方法としては、 (1)事業者側から「解除する」方法 (2)新郎新婦から「解約されたとみなす」方法 が考えられますので、以下それぞれ順にご説明します。 (1)事業者側から「解除する」方法 事業者として、連絡すら取れない新郎新婦との契約を「解除したい」と思うのは 当然ですが、解除するには法的に正当な「根拠」が必要となります。 この点、以下のような法律上の理屈で「根拠」を見出すことは可能ではないかと考えます。 (BRIGHTが考える「解除権が発生する根拠」) ・ 結婚式のサービスは単に「事業者からのみ一方的に提供するもの」ではなく、打ち合わせの参加や決定・指示出しなど「新郎新婦の協力」も不可欠な実態がある。 ・ 婚礼規約に明記されていなかったとしても、上記の結婚式サービスの特徴から考えれば、新郎新婦には当然に事業者に対して一定の「協力義務」が認められるはずである。 ・ もし新郎新婦が、事業者から十分な検討期間を設定された上で打ち合わせの日程調整等の連絡を受けていながら、正当な理由なくこれに応じない、または期限を超えても日程候補を提示しない等の「非協力的な姿勢」を続け、事業者として結婚式サービスの提供ができなくなるような事情が生じた場合には、事業者には、新郎新婦が「協力義務」に違反したことを理由に契約を解除する権利が生じる。 根拠条文の例/民法第541条  当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。  ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約および取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。 つまり、新郎新婦が「契約上の協力義務を履行していない」という理屈で、相当な期間を設けて協力(返信等)を促し、それでも反応がなければ「新郎新婦に義務違反があった」という理由で事業者から解除するという理屈です。 ただこの理屈にも弱点はありまして、 たとえば、 ・ 新郎新婦に「協力義務がある」とする前提が、法律や通常の婚礼規約上に明文化されている訳ではない(=反論はあり得る)こと。 ・ 解除した後の「お金」を巡る取り扱いにおいて、「新郎新婦の都合による解約」ではないことから規約上のキャンセル料をそのまま請求するわけにはいかず、原則としては個別に損害を算定し(困難!)請求しなければならないこと。 などは悩ましいところです。 ※ 厳密な法律論としてはやや「?」も残る面はありますが、後者の損害賠償請求については、下記の理屈で「キャンセル料相当額」を請求することも考えられます。   「婚礼規約上のキャンセル料水準は、各時点でキャンセルされた場合に当社が被るであろう損害を想定して設定して設定しているものですので、これに準じた金額を損害の賠償額として請求いたします。」 そこで、次の方法も比較して検討する必要があります。 (2)新郎新婦から「解約されたとみなす」方法 長い間連絡が取れない新郎新婦に対して 「いついつまでに返事をしてください」 「期限までに返事がなければ解約したものとみなします」 と通知し、返事がなければ解約扱いにするというのが、この方法です。 この方法であれば、期限経過時点においては通常の解約扱いとなりますので、 粛々とキャンセル料を請求(または預かり済みの金銭から充当)していく流れとなり、 方法(1)のような不安は軽減されます。 ただ、こちらの方法にも以下のような弱点があります。 ・ 「返事をしないこと」をもって「解約したものとみなす」という対応に対して後から「そんなつもりはなかった!」「何を勝手に解約してるのか!」と反論があった時に、法的な理屈として耐えられるのかについて若干不安が残ること。 ・ そもそもこの通知が新郎新婦に届いているのか確認が難しい場合があること。 以上をまとめますと・・・ まずは「日程変更したままになっている新郎新婦にどう対応するのか?」という 点について事業者としての方針を確定することが必要になると考えます。 次に、その方針が「施行が見込めない新郎新婦については契約を終了しよう」と いうものであれば、 ・ コロナ禍での延期決定の際にどんな案内をしていたのか? ・ 新郎新婦が連絡をしない、または日程を決めない理由に正当性はあるのか? 等を踏まえて、上記いずれの方法を採用するか(=いずれの方法の方が理屈が立てやすいか)を決めていただきます(事業者によって方針は分かれると思います。)。 最後に、採用された方法に即して「法律上も理屈の通る形の書面」を作成し、(できれば)内容証明郵便等の形で新郎新婦に送付することをお勧めします。 なお「with BRIGHT顧問サービス」ご利用の皆様については追加料金なく、または割引料金で書面作成のお手伝いをしておりますので遠慮なくお声がけください。 いかがでしたでしょうか? 非常に馴染みづらい法律論の解説になってしまいましたが、それには理由がありまして、それはズバリ、一旦契約をしている以上事業者にはそれを遵守する義務があり事業者側から「契約を一方的に終了する」ことは簡単ではないからです。 後で法的なトラブルになりかねないからこそ大変であっても「法律の根拠」を軸に通知等をしていく必要があるのです。 え? とはいえ、文章だけでは分かりづらい? 分かっております。 そりゃそうですよね。 そういう方に向けて、今回のメルマガの内容を説明する動画をご用意していますので より詳しくこのテーマをお知りになりたい方は下記のURLよりお受け取りください。 ※追加料金は発生しません。 https://forms.gle/iXaPYDQkGmZKMygQA (BRIGHTでは他にもブライダル業務にお役に立つ情報を発信していますので、 是非YouTubeのチャンネル登録をお願いします!) 深刻な「延期後の日程が決められない新郎新婦」問題 このメルマガ、そして解説動画が少しでもお役に立てていれば嬉しく思います。 ご相談があればいつでもBRIGHTまでお問い合わせください。




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