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コロナ禍での「ひとり勝ち」とも称されたのが『フォトウェディング』。フォトウェディング特有の注意点について

Q1. 新郎新婦との間で「前撮り」や「フォトウェディング」の契約を取り交わす際には、どのようなことに注意すべきでしょうか?


A1. まず「お仕事のゴールが何か」を明確にすることが大切です。写真データの納品なのか、アルバムの制作も含まれるのか、そうであればどのような品質のものを納品するのか。そのあたりが曖昧な契約書をよく目にしますが、トラブルに発展するリスクがあります。

   次に「撮影された著作権の帰属」についても規定が必要です。


Q2.新郎新婦に写真データを納品する際に著作権も移転するのは当たり前ではないでしょうか?


A2.もちろんそうした取扱いにすることは構いませんが、もしフォトグラファーとして撮影した写真をコンペティションに出展したり、自らの作品例として営業活動に利用したい場合には、その旨を契約書で触れておくことが望ましいです。また、合意しても移転ができない「著作者人格権」の取扱いについても規定しておく必要があります。


Q3.その他、思わずうっかり違法になってしまうリスクはありますか?


A3.あまり知られていませんが「道路運送法」には注意が必要です。

たまにフォトサービスの一環として「撮影現場への送迎」を含めた案内が散見されますが、タクシー営業の許可を得ずに有償で人を送迎する行為は「白タク行為」と呼ばれる違法行為です。

一方で無償での送迎であれば構いませんので、送迎サービスを「無償サービス」として設定し、利用の有無に関わらずサービス料が変わらない実態があれば問題はありません。

現状の送迎サービスがこれに抵触していないかどうかご注意ください。


Q4.「美容師法」についても一時話題になりました。


A4.こちらは引き続き注意が必要です。

「美容師法」では、美容師が美容所登録された場所以外にて美容行為を提供することを禁じています。婚礼等の儀式の直前であれば例外的に認められるのですが、監督官庁からは「婚礼写真の撮影は例外には該当しない」との見解が明示されていますので、フォトウェディングの移動中や撮影場所でヘアメイクを行う行為は、「美容師法」に抵触する危険性が大きいです。


Q5.ハサミを使わず、髪を整えたり化粧をしたりするだけでもNGですか?


A5 「美容師法」では「パーマ、結髪、化粧」などハサミを使わない施術も規制対象となっていますので、美容所以外の場所でのこうした行為はリスクが生じます。

   一方で、厚生労働省の見解では、「汗をかいたり風が吹いて乱れた箇所を手直しする」程度の施術までは場所の制限は求めない、とされているので、撮影の最初は美容所登録された場所にてお支度をして、その後美容師が撮影に同行し、美容所以外の場所で適宜「乱れを直す」といえる範囲で施術をすることはセーフと言えます。

   こうした境界をしっかり認識した上でのサービス設計をお勧めいたします。





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